笹離宮とは、「笹のための離宮」という意味です。竹と異なり笹は主役になり難い植物ですが、ここでは世界一のコレクションとなる120種の笹が主役となり、その美しさをその個性とともに誇っています。
笹離宮は、稀有な縁が重なり合い、多くの方々の夢や思いが、紡がれ綾なされてできました。静岡県富士竹類植物園からの、地球温暖化の影響で弱り始めた笹類を、寒冷な蓼科の地に移植させたいという要請に始まり、これが桂離宮昭和の大改修他を手掛けられた伝統建築家安井清氏から、笹をテーマとした数寄屋庭園の構想へとつながりました。安井氏いわく「ここで弟子に本当の仕事を教えられる。笹類植物園も笹をテーマとした数寄屋庭園として多くの方に見て頂ける。自分も未来に先人の技術と知恵を伝承できて本懐が遂げられる。三方よし」と言われました。
こうして笹離宮は、最新知見に基づいて分類された「笹類植物園」と、笹をテーマにした「回遊式数寄屋庭園」という二つの要素が、高い次元で融合した世界に類を見ない庭園として蓼科の地に誕生しました。